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退職所得に係る市・道民税の特別徴収について
退職所得にかかる市民税・道民税の特別徴収(分離課税にかかる所得割)
退職所得の課税対象
分離課税の対象となるものは、退職によって雇主から支給される退職金、一時金等で、名称のいかんを問いません。ただし、次に当るものは課税対象となりません。
- 常時2人以下の家事使用人に支払われる場合(翌年に他の所得と総合して所得割が課税されます)
- 死亡により退職した人に支給されるもので、その相続人に支給されるもの(相続税の対象となります)。
- 退職に伴う転居のために、必要とされる範囲内で支払われる旅費等。
納税義務者
納税義務者は、退職手当等の支払いを受ける人ですが、退職者の退職手当に対する市民税・道民税は、退職手当の支払者がその税額を計算して特別徴収を行い、退職手当等の支払いを受けるべき日(通常は退職した日、以下同じ)の属する年の1月1日現在の住所地の市町村に納めていただくことになります。ただし、次に掲げる方には課税されません。
- 退職手当等の支払いを受けるべき日の属する年の1月1日現在において、生活保護法による生活扶助を受けている方。
- 退職手当等の支払いを受けるべき日の属する年の1月1日現在において、国内に住所を有していない方。
- 退職手当等の収入金額が、退職所得控除額より少ない方。
税額の算出方法
退職所得に対する税額の求め方は次のとおりです。
(1)「退職所得控除額」の求め方
次表により勤続年数から「退職所得控除額」を求めます。
この際、勤続年数の端数は切り上げとします。また、障害者となったことにより退職したと認められるときは、次表の控除額に100万円を加算してください。
(2)「退職所得の金額」の求め方
区分 | 計算方法 |
---|---|
ア、勤続年数5年以下の役員等 | 退職所得の金額=退職手当等の金額-退職所得控除額 |
イ、勤続年数5年以下の役員等以外の方 | (1)退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した後の金額が300万円以下の場合 退職所得の金額=(退職手当等の金額-退職所得控除額)×2分の1 |
(2)退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した後の金額が300万円を超える場合 退職所得の金額=150万円((注)1)+{退職手当等の金額-(300万円+退職所得控除額)} |
|
ウ、上記以外の方 | 退職所得の金額=(退職手当等の金額-退職所得控除額)×2分の1 |
(注1)300万円以下の退職所得の金額300万円×2分の1=150万円
(3)市民税・道民税の求め方
退職所得×税率(市民税6%・道民税4%)=特別徴収すべき税額
(注1)
退職所得の金額(収入金額から退職所得控除額を差し引いた後の金額に2分の1を乗じて得た額)に、千円未満の端数がある場合は、千円未満の金額を切り捨てる(退職所得の金額は、1,000円単位)。
(注2)
市民税額、道民税額は、端数処理を行わない。
(注3)
特別徴収すべき税額(市民税額、道民税額)に、百円未満の端数がある場合は、それぞれ百円未満の端数を切り捨てる(特別徴収すべき税額は100円単位)。
勤続年数 | 退職所得控除額 | 勤続年数 | 退職所得控除額 | 勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|---|---|---|---|
2年以下 | 800,000円 | 16年 | 6,400,000円 | 30年 | 15,000,000円 |
3年 | 1,200,000円 | 17年 | 6,800,000円 | 31年 | 15,700,000円 |
4年 | 1,600,000円 | 18年 | 7,200,000円 | 32年 | 16,400,000円 |
5年 | 2,000,000円 | 19年 | 7,600,000円 | 33年 | 17,100,000円 |
6年 | 2,400,000円 | 20年 | 8,000,000円 | 34年 | 17,800,000円 |
7年 | 2,800,000円 | 21年 | 8,700,000円 | 35年 | 18,500,000円 |
8年 | 3,200,000円 | 22年 | 9,400,000円 | 36年 | 19,200,000円 |
9年 | 3,600,000円 | 23年 | 10,100,000円 | 37年 | 19,900,000円 |
10年 | 4,000,000円 | 24年 | 10,800,000円 | 38年 | 20,600,000円 |
11年 | 4,400,000円 | 25年 | 11,500,000円 | 39年 | 21,300,000円 |
12年 | 4,800,000円 | 26年 | 12,200,000円 | 40年 | 22,000,000円 |
13年 | 5,200,000円 | 27年 | 12,900,000円 | 41年以上 | 次の数式により求めます。 700,000円×勤続年数-6,000,000 |
14年 | 5,600,000円 | 28年 | 13,600,000円 | ||
15年 | 6,000,000円 | 29年 | 14,300,000円 |
(注)退職年数の端数は切り上げます。
(例えば 19年2ヶ月は20年となります。)
納入方法
退職所得に係る市民税・道民税は、特別徴収した翌月10日までに、給与所得に係る特別徴収税額とあわせて、「納入書」により所定の金融機関に納入してください。その際、納付書の裏面にある「納入申告書」に該当事項を必ず記入してください。
退職所得に係る市民税・道民税額の計算例
前項で説明した退職所得に係る税額算出を実際に計算してみます。
勤務年数25年で退職
14,223,632円の退職手当
以上の場合の退職所得に係る市民税・道民税額の算出は次のようになります。
退職所得控除額の計算・・・前項税額の算出方法の(1)
8,000,000円+700,000円×(25年-20年)=11,500,000円
退職所得の金額・・・前項税額の算出方法の(2)
(14,223,632円-11,500,000円)÷2=1,361,816円
=1,361,000円(1,000円未満の端数は切捨て)
退職所得に係る市民税・道民税額・・・前項税額の算出方法の(3)
市民税・道民税額
(課税退職所得金額)(税率)
市民税 1,361,000円×6%=81,660円
道民税 1,361,000円×4%=54,440円
市民税額 81,600円
(100円未満の端数がある場合は切捨て)
道民税額 54,400円
(100円未満の端数がある場合は切捨て