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網走市都市計画マスタープラン
網走市都市計画マスタープラン(概要)
網走市では平成14年度に、約20年後を目標年次として都市計画の方針を定めた「網走市都市計画マスタープラン(通称:都市マス)」を策定し、都市施設の整備などを計画的に進めてきました。
しかし、昨今の少子高齢化の進行、人口減少社会の到来や環境問題など都市を取り巻く状況は大きく変化していることから、より一層の効率的な都市運営や安心・安全なまちづくりに向け、平成27年度から28年度にかけて、見直しを行いました。
基本理念(当初計画より引き継ぎ)
自然をいつくしみ、こころ豊かに市民がつどい、オホーツクの文化を創造するまち・網走
まちづくりの3つの目標(当初計画より引き継ぎ)
豊かさを実感できるまち~オホーツクの資源を享受でき市民が誇りの持てるまちづくり
自然を守り、育てるまち~水と緑に恵まれた環境を’再生’するまちづくり
人と人の交流があふれるまち~人のふれあい、こころの輪を育むまちづくり
見直しのポイント
全国的な潮流を踏まえた、「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」へ対応するまちづくり
マスタープランが当初策定された平成14年度以降、更なる人口減少や少子・高齢化の進展、また地球環境への関心や防災意識の高まり、財政的制約の顕在化や住民参加意識の向上など、社会経済状況は大きく変化しています。
一方、国においては、平成24 年12 月に「都市の低炭素化の促進に関する法律」(エコまち法)が施行され、目指すべきまちづくりの方向性として「コンパクトなまちづくり」が位置づけられ、平成26 年8 月に施行された「改正都市再生特別措置法」により、コンパクトシティ・プラス・ネットワークのまちづくりを目指す「立地適正化計画」が位置づけられました。
本見直し作業においても、これらを踏まえて、網走の特性を活かした「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」への対応を行います
現行計画後に策定された「網走市総合計画」ほか、上位・関連計画との整合
「総合計画」の改定、「網走市まち・ひと・しごと創生総合戦略」における子育て支援や、「網走市人口ビジョン」における人口の減少予測など、新たに策定された計画との整合のもと、実効性のある計画としていきます。
将来の人口規模や市街地形態を見据えた都市構造への対応
本格的な人口減少と少子高齢社会の到来をひかえ、網走の市街地を構成する各地区について、都市機能上の役割を明確化したうえで、将来にわたる市街地範囲の明確化と、主に居住機能、商業・業務機能、行政機能、保健・医療・福祉機能等の中心市街地や地区中心への集約化といった、集約型都市構造への転換に向けた指針としていきます。
新たな市街地動向に対する都市計画としての対応
マスタープランが当初策定された平成14年度以降、中心市街地及びその周辺では、道の駅「流氷街道網走」やモヨロ貝塚館、借上げ市営住宅の整備のほか、網走厚生病院の建替え、既存施設の用途変更による高齢者施設の整備がなされる一方で、大型核店舗の閉店に至っています。
本見直し作業においては、これらの市街地動向を踏まえるとともに将来を見据えたまちづくりの指針としていきます。
市民アンケート調査の実施による、生活者の視点の方針づくりへの反映
マスタープランの見直しにあたり、広く市民意見を把握・反映した計画とするために、アンケート調査を実施し、その結果を踏まえて策定を行いました。
網走市における今後のまちづくりの考え方
目指すべき将来都市構造
コンパクトシティの形成
3つの拠点(都市拠点、沿道商業ゾーン、身近な生活拠点)と2つの骨格軸(広域幹線、生活幹線)沿道に、利便性の高い持続的な市街地の形成を目指します。
また、市街地内の未利用地や空き家等を活用しながら都市機能や生活利便機能を集約化するとともに、白地地域の無秩序な土地利用を抑制することで、人口減少・高齢化の進行等に対応します。
ネットワークの形成
地域ニーズを継続的に把握し、関係者の協力・連携のもと、今後の公共交通のあり方について、各拠点や骨格軸の形成と一体となった検討を行います。
拠点や軸の位置付け
都市拠点
現行の都市マスの地域別構想における「中心市街地」であり、商業地域に指定されている地区周辺です。
近年は、道の駅「流氷街道網走」の整備等にともない、国内のみならず海外からも多くの観光客を誘引する「国際交流の場」としての役割とともに、新たな公営住宅の整備、借上げ公営住宅の導入などによる交流・定住人口の増加に向けた取組みが進められています。
今後とも、オホーツク全体の交流拠点として、かつてより有する中枢機能の強化向上を図るとともに、公共交通網の検討や、大規模店閉鎖跡地の有効活用などを進め、生活利便性や拠点性、交流・おもてなし機能の向上を図っていきます。
沿道商業ゾーン
3.3.3 本通沿線の近隣商業地域にあり、近年は大小様々な規模の商業施設等の立地が進行している地区です。
市内の交通流動をみても、中心市街地よりも駒場地区を目的地とする交通量が多くなっているなど、求心性が高まっている状況といえます。
今後は、高台地区の生活利便性の向上に資する「沿道商業ゾーン」として、中心市街地との連携のもと、新たな機能の導入や魅力ある商業集積地としての沿道環境づくりなどに取り組んでいきます。
身近な生活拠点
今後高齢化社会がさらに進行するにあたって、歩いていける範囲の生活圏における、生活サービス等の拠点が求められています。
現在市内に立地している「コミュニティセンター」や「住民センター」の役割を再認識し、身近な生活圏におけるサービスセンターとしての機能の維持・強化を図っていきます。
また、現段階において、これらのコミュニティセンターでカバーが困難な地域については、将来的に、他の公共施設や福祉施設・町内会館等の活用を検討し、さらなるサービス水準の向上を図っていきます。
骨格軸
三眺・大曲から中心市街地に至る国道238 号・39 号、及び4条通(アプト4)沿線を都市の骨格軸と位置付けます。
網走を代表する自然景観の一つである網走湖や網走川を臨みながら市街地へアプローチする広域軸であり、この特色を今後とも維持していきます。
また、中心市街地から、沿道商業ゾーンを経由し国道244 号に至る沿線をもう一つの骨格軸と位置付けます。なお、3・3・3 本通は、西山通り供用後においても、従来と変わらず今後とも網走市の生活の大動脈と位置付けていきます。
環境軸
オホーツク海から中心市街地を通り網走湖に繋がる、網走川及びその周辺を中心とする「水辺の環境軸」を位置付けます。
国道39 号骨格軸と重複し、広域からの網走市街地への導入部分も担うとともに、中心市街地も通過する「まちなかと自然」の双方の特色を持つものといえます。
今後、「網走かわまちづくり」における散策路等の環境整備等とあわせ、中心市街地の魅力の一つとして活用を図っていきます。
網走湖に面する呼人地域と、森林エリアにおける2つの道道(大観山公園線・中園網走停車場線)を経由して、潮見ほか網走市街地を連絡する軸を「森の環境軸」として位置付けます。
道立オホーツク公園や天都山展望台オホーツク流氷館、東京農業大学、また近年は「天都山エリア」と称して自然環境を楽しめるカフェ等の立地が進んでいるなど、網走の新たな魅力を体感できるエリアとしての活用を図っていきます。