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令和3年度市政執行方針

ページID:0001066 更新日:2021年3月5日更新 印刷ページ表示

網走市長市政執行方針演説の様子

1 はじめに

2 市政執行の基本方針
(1)市政を取り巻く環境
(2)当市の財政状況
(3)今年のまちづくりについて

3 主要施策
(1)一人ひとりを大切にするやさしいまち
(2)豊かな自然と共生する安心なまち
(3)ひとが集いにぎわいと活力を生むまち
(4)豊かなひとを育むまち
(5)ともに歩み、ともに築く協働のまち

4 おわりに

1 はじめに

 令和3年網走市議会第1回定例会において、予算をはじめ関連する議案のご審議をいただくにあたり、市政執行の所信と施策の概要を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 さて、昨年を振り返りますと、世界的な新型コロナウイルス感染拡大という事態に陥り、人々のライフスタイルや価値観に大きな変化と影響をもたらしました。
 4月7日に内閣総理大臣が緊急事態宣言を発出し、不要不急の外出自粛や学校の休業要請などが行われたほか、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会をはじめ、さまざまなイベントが中止や延期となり、日常生活はもとより、社会経済も甚大な打撃を受けました。
 こうした中にあって、最前線で日々奮闘されている医療従事者をはじめ、エッセンシャルワークに従事されておられる皆様、そして感染拡大防止にご協力をいただいているすべての皆様に、改めて心より感謝申し上げます。
 これまで新型コロナウイルス感染症への対策として、感染予防資材の整備などをはじめ、子育て世帯等への生活支援対策、飲食・宿泊業等への地域経済対策、GIGAスクール構想による機器整備や電子図書館の開設などの新しい生活様式対策に取り組んでまいりました。
 第6回目となるオホーツク網走マラソンでは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、やむなく大会の中止を余儀なくされましたが、国内でも先駆けとなるスマートフォン用ランニングアプリを活用したWEBマラソン大会として開催し、全国のランナーから大変好評をいただきました。
 地域医療につきましては、脳血管疾患に係る急性期医療体制の整備や開業医開設助成金制度により市内2地域に診療所を誘致することができ、また、新型コロナウイルス感染症に係る対策については、クラスターなど感染拡大を最小限に抑えるため、指定感染症病院に抗原定量検査機器の整備を支援し、検査体制の強化を図りました。
 観光の面では、本年2月に待望のピーチ・アビエーション成田女満別線が新たに就航となりました。
 これまで、LCC路線の誘致に向け、空港圏域の自治体や関係機関の継続的な取り組みが実を結んだものと考えております。
 地域が抱える多様な課題に対し、解決に向けた取り組みを推進する「未来を考える戦略センター」が市内の産学官金の連携により設置され、東京農業大学オホーツクキャンパス内に活動拠点となるイノベーション・ベースが開設されました。
今後、多様な団体の連携やオール東京農大の知見を活かした戦略的な取り組みを具現化する重要な役割を担うものと大いに期待しているところであります。
 郊外地区では、懸案であった光ファイバー網の整備を、令和4年度に全地域で利用できるよう着手しました。ブロードバンド環境の整備により、スマート農業をはじめとする情報通信技術による省力化・効率化に係る先端技術の導入が加速していくものと考えております。
 新庁舎建設については、新庁舎建設基本構想を策定後、令和2年第3回定例会において、市役所の位置を定める条例が可決され、現在、基本・実施設計に着手しております。
 「市民に自然にやさしいスマート庁舎」を基本理念に、ICTなどを活用した利便性の高い窓口サービスや業務の効率化、防災拠点機能の充実など、市民の皆様に親しまれる新庁舎として、令和6年度の供用開始を目指していきます。
 引き続き、限られた行政資源を効率的・効果的に活用し、新型コロナウイルス感染症への状況に応じた迅速な対応を講じてまいります。

2 市政執行の基本方針

(1)市政を取り巻く環境

 政府は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経済状況にありますが、感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図りつつ、ポストコロナの新しい社会の実現を目指し、デジタル改革・グリーン社会の実現など、中長期的な成長力の強化に取り組むとともに、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」に基づく第3次補正予算を、令和3年度当初予算と一体として、いわゆる「15か月予算」の考え方で、感染拡大を抑えながら雇用と事業を支え、民需主導の経済成長軌道へ戻していくとしています。
 一方、財政は国・地方の債務残高がGDPの2倍を超える見込みであり、引き続き厳しい状況にあることから、「経済あっての財政」との考えの下、「経済財政運営と改革の基本方針2020」に基づき、経済・財政一体改革を推進することとし、歳出・歳入の両面からの改革を推進するとしています。
 国の令和3年度一般会計予算は、9年連続で過去最高を更新する106兆6,097億円となりますが、税収は前年度当初より6兆円減少し、公債金が11兆円増することとなり、公債依存度は、前年度当初より9.2ポイント増の40.9%と急激に上昇しています。

(2)当市の財政状況

 令和3年度の歳入環境は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、個人市民税や法人市民税を中心に市税の大幅な落ち込みは避けられない状況にありますが、地方財政計画では一般財源総額が増額となり、地方交付税の算定においても「地域デジタル社会推進費」が創設されることから、懸念していた歳入環境の悪化は一定程度緩和されると考えています。
 また、基金についても、ふるさと納税が好調であることから、多額の繰入れを行いつつも、平成31年度末と同程度の残高を維持できると見込んでいます。
 一方、歳出環境では高い公債費が続いていますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている市民の皆様に、真に必要な対策を迅速かつ確実に取り組み、あわせて市民生活の根幹を支える医療体制や公共交通の維持・充実、老朽化する公共施設や道路・河川などのインフラ施設の更新や長寿命化対策を、財政規律を保ちながら着実に推進します。
 令和3年度の当初予算ですが、一般会計は243億9,687万4千円で、対前年度比プラス13億2,485万6千円、5.7%の増となり、6つの特別会計では、総額で99億7,384万7千円、対前年度比プラス2,632万8千円、0.3%の増となりました。
 また、企業会計ですが、水道、簡易水道、下水道の3つの事業会計では、総額で49億1,113万6千円、対前年度比マイナス1億9,269万5千円、3.8%の減となったところです。

(3)今年のまちづくりについて

 令和3年度は、国において編成された令和2年度第3次補正予算を活用しながら、新型コロナウイルス感染症への対応と社会経済活動の両立に向けた視点を持ち、総合計画を基本として、4つの観点からまちづくりに取り組んでまいります。
 また、情報化社会に対応した新庁舎の供用開始に向け、デジタル・トランスフォーメーションを推進していくことを基本に、ICT技術の積極的な導入の端緒としてまいります。
 「新型コロナウイルス感染症への対応」という観点からは、国の方針に従い円滑なワクチン接種体制の整備に取り組むとともに、感染防止対策として、感染予防資材の整備や検査費用の助成、発熱外来患者の受入体制に係る支援など感染リスクの低減を図ってまいります。
 経済対策として、第2弾となるプレミアム付き食事券の発行により低迷している消費の喚起や、宿泊クーポンの発行により激減している宿泊需要の回復を図ってまいります。
 また、感染防止対策に努めながら地域の消費喚起や販売促進に取り組む事業者等の活動支援に努めてまいります。
 新しい生活様式対策として、小中学校の休校時においてGIGAスクール構想で整備したタブレット端末機器を家庭で活用する際、インターネット環境が整えられていない家庭への通信機器の貸出準備や、店舗等を営む事業者が行う感染対策の支援、住民票など証明書のコンビニエンスストア交付サービスの導入に向けて取り組んでまいります。
 「ひとを育み・ひとにやさしいまち」という観点からは、地域医療の確保や救急医療体制を維持するとともに、高齢化の進展などによりニーズが増加している泌尿器科の病棟の再開を目指し、手術を含めた治療が可能な医療体制を確保するため、高度医療機器の整備を図ることと併せ、引き続き開業医の誘致を図ってまいります。
 高齢者の生活支援では、移動手段の確保が難しい高齢者等への買物弱者対策として、民間との協働により既存サービスの周知と充実を図ってまいります。
 介護人材対策については、介護事業者や関係機関との連携により人材の確保や離職防止に努めてまいります。
 障がいのある方への支援では、斜網地域1市4町が連携し、基幹相談支援センターを開設し、地域における相談支援体制の充実を図るとともに、就労先確保に向けた取り組みを推進してまいります。
 安心して出産・子育てできる環境づくりを推進するため、子育て世代包括支援センターによる、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない総合的な支援の提供をはじめ、産後ケアの充実を図るほか、新たに子どもの出生時に子育て応援祝金を支給し、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ってまいります。
 また、幼児教育・保育においては、幼稚園の認定こども園への移行に対する支援をしてまいります。
学校教育においては、引き続き、子どもたちの確かな学力、豊かな人間性、健やかな体の調和のとれた成長を促す取り組みを推進するとともに、学校と地域の連携・協働による「コミュニティ・スクール」や、ソサエティ5.0の時代に生きる子どもたちの未来を見据え、「GIGAスクール」への対応を推進し、より一層の教育環境の充実に努めてまいります。
 また、学校給食については、子どもたちに安全で安心な学校給食を継続して安定的に提供していくための運営体制づくりを進めてまいります。
 次に、「活力あふれるまち」という観点からは、農業については、農業基盤整備の推進とともに、経営規模拡大に向けたスマート農業の推進のほか、重要病害虫・家畜伝染病対策に取り組んでまいります。
 また、森林の持つ多面的機能の維持を図るため、計画的な森林整備と林道施設の適切な管理に努めてまいります。
 水産業については、濤沸湖におけるシジミ種苗生産技術の確立と放流適地調査を実施するほか、漁場環境の保全に努めてまいります。
 観光については、経営視点に立った、多様な連携による戦略的な観光地域づくりを推進するDMO候補法人に対し支援してまいります。
 また、地域資源を活用した自然体験型観光コンテンツの開発や人材育成など、アドベンチャーツーリズム受入体制の整備を行い、コロナ禍により低迷している観光需要の回復に努めてまいります。
 道の駅「流氷街道網走」では、農産物直売所の実証事業に取り組み、新たな賑わいの創出など魅力向上を図ってまいります。
 一年延期となりました東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関しては、ホストタウンとして、選手の合宿受入や文化交流に取り組むとともに、これまで培ってきたキャンプ地として得た評価を活かして、合宿誘致を進めてまいります。
 中心市街地の活性化については、網走中央商店街振興組合や網走商工会議所、「まちなか網走」などとの連携を図りながら、整備したゲストハウスの利用促進や体験メニューの造成など、アフターコロナにおけるインバウンドの中心市街地への誘客を目指し、継続的に取り組んでまいります。
 市場開拓・販路拡大では、引き続き、ふるさと納税制度の積極的な活用により、特産品のPRに努めてまいります。
 雇用労働対策では、建設業など社会インフラを担う若者技能者の人材育成をはじめ、働きやすい職場環境づくりを促進し、地域が若者を育てる気運の醸成に引き続き、努めてまいります。
 また、網走刑務所の公有地等の利活用については、共生型地域社会の実現と持続可能な産業振興を目指し、地域の事業者との連携を図りながら発展的な取り組みを推進してまいります。
 地方創生に資する取り組みでは、ふるさと寄附をいただいた方々や東京農業大学の卒業生など、継続的に多様な関りを持つ関係人口の創出・拡大に努めてまいります。
 また、地域が抱える多様な課題解決を戦略的に推進する「未来を考える戦略センター」の運営および機能強化を図るとともに、広域連携では、斜網地域1市4町による定住自立圏域の拡大に向けて取り組んでまいります。
 次に、「安全・安心なまち」という観点からは、「FMあばしり」を活用した、Jアラート緊急割込装置の運用管理など、防災情報発信体制を維持するとともに、防災ガイドブックを全面改訂し、災害への備えと防災対策の推進に努めてまいります。
 公共交通については、オンデマンドバス「どこバス」の本格運行を見据え、エリアを拡大し実証実験に取り組んでまいります。
 また、運転手など公共交通人材の確保を図るため、各種免許取得や労働環境改善など働きやすい職場づくりを支援してまいります。
 まちづくりについては、市街地における居住および都市機能の集約や適切な配置などを示す、「立地適正化計画」を策定し、コンパクトで利便性と持続性の高いまちづくりの推進を図ってまいります。
 インフラの維持管理については、通学路の安全対策に加え、道路、橋梁、公園、港湾の老朽化対策や計画的な整備を進めるとともに、災害に備えた河川の適切な維持管理に努めてまいります。
 また、公営住宅については、潮見団地の建て替えにあたり、子育て世帯に配慮した団地整備に向け、土地の造成や住宅の実施設計に取り組んでまいります。
 市庁舎の建て替えについては、新庁舎建設基本構想に基づき、基本・実施設計に取り組んでまいります。
 次に、網走市総合計画に定める将来像「豊かな自然にひと・もの・まちが輝く健康都市 網走」の実現に向けて、具体的に取り組む主な施策を5つの目標に沿って、改めてご説明いたします。

3 主要施策

(1)一人ひとりを大切にするやさしいまち

第1は、「一人ひとりを大切にするやさしいまち」づくりです。

保健医療

 市民の皆様が生涯を通じて健康で安心して暮らせるよう、保健・医療、健康づくりの施策を一体的に推進してまいります。
生活習慣病の予防では、引き続き「あばしりベジラブル運動」の普及啓発や、対象事業に参加した方にポイントを付与する「あばしり健康
マイレージ事業」に加え、AIを活用した効果的な受診勧奨を行うことにより、特定健診の受診率の向上を図ってまいります。
 子どものインフルエンザの発症と重症化を防ぐための予防接種の無料化をはじめ、予防接種による感染症予防の推進やがん検診をはじめとする各種健康診査による疾病の早期発見・早期治療を促進し、公衆衛生の向上および健康増進を図ってまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症については、国の方針に従い円滑にワクチン接種が実施できる体制の整備に努めるとともに、感染予防資材の整備や検査費用の助成により感染予防対策に取り組んでまいります。
 母子保健では、切れ目のない相談体制の確立とともに電子母子手帳による支援、産後ケアの充実を図るほか、不妊治療費と不育症治療費の助成にも引き続き取り組んでまいります。
 地域医療については、大学医局と斜網地域の1市4町が連携した周産期医療体制の確保のほか、市内における泌尿器科の病棟の再開を目指した高度医療機器整備や、開業医誘致に取り組むとともに、北海道に要望している看護師の地域偏在解消への対策は、看護職員修学資金貸付制度の改正により、一般修学資金の増額およびオホーツク圏域への就業を促進する特別修学資金の加算や対象施設の追加が示されたため、引き続き、人材確保に取り組む医療機関を支援し、医療体制の維持、充実に努めてまいります。
 また、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、発熱外来患者の受入体制に係る支援に取り組んでまいります。

地域福祉

 地域福祉については、市民の皆様をはじめ団体、関係機関との連携を深め、「地域の支え合い」を念頭に、安心して生きがいをもって暮らすことができるまちづくりに取り組んでまいります。
 高齢者福祉については、引き続き、地域および関係機関と情報や課題の共有、連携強化に努め、医療・介護・予防・住まい・生活支援等のサービスを切れ目なく一体的に提供する地域包括ケアシステムのさらなる推進を図ってまいります。
 また、引き続き、介護人材の確保に取り組む事業者を支援するとともに、事業者との情報交換を密にしながら、介護職員の離職防止や定着促進を図ってまいります。
 さらに、介護要支援者等に対し、買物の送迎や付き添い支援の充実を図るとともに、高齢者の生活支援では、移動手段の確保が難しい高齢者等への買物弱者対策として、民間との協働により既存サービスの周知と充実を図ってまいります。
障がい者福祉については、斜網地域1市4町が連携し、基幹相談支援センターを開設し、地域における相談支援体制の充実を図るとともに、就労先確保に取り組み、障がい者がいきいきと安心して暮らせるまちづくりの推進を図ってまいります。
 子育て支援については、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない総合的な支援をはじめ、新たに子どもの出生時に子育て応援祝金を支給し、子育て世帯の経済的な負担の軽減を図ってまいります。
 また、幼稚園の認定こども園への移行に対する支援や、病後児保育の実施のほか、引き続き、子どもの医療費助成や、子どもの活動支援、地域での子どもの居場所づくりなど、子どもの成長に応じた支援の充実を図ってまいります。
 ひとり親家庭については、経済的支援とともに、親と児童の健康保持および福祉の増進を図るための医療費助成や、親の就労支援に、引き続き取り組んでまいります。

(2)豊かな自然と共生する安心なまち

第2は、「豊かな自然と共生する安心なまち」づくりです。

都市空間

 市街地における居住および都市機能の集約や適切な配置などを示す、「立地適正化計画」を策定し、コンパクトで利便性と持続性の高いまちづくりの推進を図ってまいります。

都市基盤

 市街地の整備については、モヨロ地区の緑地を整備し、網走川周辺の賑わいの創出を図ってまいります。
 道路については、集中豪雨に対する市道の冠水対策や通学路の安全対策に加え、道路、橋梁、公園の老朽化対策や計画的な整備を進めるとともに、災害に備えた河川の適切な維持管理に努めてまいります。
 冬期対策については、ロードヒーティングの計画的な改修や維持管理とともに、効率的な除雪体制の確保を図ってまいります。
 港湾については、小型ボートの事故防止などを図るため、港内斜路の適正な管理に努めてまいります。
 また、施設の詳細点検を実施し、老朽化対策や長寿命化を図ってまいります。
 漁港については、静穏域の確保等、機能保全計画に基づく整備・補修を、管理者である北海道へ要望してまいります。
 公共交通については、持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けて、オンデマンドバス「どこバス」の本格運行を見据え、エリアを拡大し実証実験に取り組んでまいります。
 また、運転手確保や労働環境改善に取り組むバス、タクシー事業者を支援してまいります。
JR北海道問題については、地域利用の促進では、乗車運賃の助成や、市民団体等による自発的な取り組みを支援するとともに、市民の皆様をはじめ、団体や企業などへマイレール運動を提唱してまいります。
 引き続き、鉄路の維持存続に向けて、多様な連携を図りながら対応に努めてまいります。
 北海道内7空港民営化に伴う女満別空港の利活用については、地域や他空港の関係団体、北海道エアポート株式会社との連携により、利用促進や路線の維持、拡大に取り組んでまいります。

生活安全

 市民の安全・安心については、「FMあばしり」を活用したJアラート緊急割込装置の運用管理など、防災情報発信体制を維持するとともに、避難行動要支援者や高齢者などへ緊急告知防災ラジオの普及に努めてまいります。
 また、避難所の防災備蓄品の更新整備を進めるほか、防災ガイドブックの全面改訂や、町内会等を対象にした防災訓練や防災研修に
取り組み、防災意識の向上を図ってまいります。
 運転免許証を自主返納した高齢者に対して、公共交通券を交付し、高齢者の運転による交通事故の抑制を図ってまいります。
 耐震化対策が必要な市庁舎以外の公共施設については、今後のあり方を含め、総合的な検討を進めてまいります。
 消防については、経年劣化した防火衣を更新し、消防力の充実、強化を図ってまいります。

環境

 地球環境の保全については、環境の保全と創造に関する施策の基本となる「網走市環境基本計画」を市民に周知し、地球温暖化対策の啓発を進めてまいります。
自然環境の保護については、引き続き濤沸湖の魅力および濤沸湖水鳥・湿地センターのPRと併せ、ローカルルールの改正とガイドの養成を行い、環境保全と賢明な利用を推進してまいります。
 廃棄物処理については、最終処分場の延命を図るため、紙おむつ等を大空町の焼却施設で減容化するとともに、引き続き市民の皆様にごみ分別の意義をお伝えし、ご理解とご協力を賜りながら分別手法の浸透を図ってまいります。

生活基盤

 公営住宅については、潮見団地の建て替えにあたり、子育て世帯に配慮した団地整備に向け、土地の造成や住宅の実施設計に取り組んでまいります。
 空き家対策については、空き家バンクや住宅の解体費支援など総合的な対策を推進してまいります。
 上水道については、安全で安心な水を安定して各家庭に届けるため、導水管や配水管の布設替えなどを計画的に行ってまいります。
 下水道については、河川・湖沼の水環境の保全を図る施設を整備するとともに、老朽化した下水道施設の更新を進め、公衆衛生の向上を図ってまいります。
 墓地については、潮見墓園合葬墓の利用増に伴い、墓誌の増設に取り組んでまいります。

(3)ひとが集いにぎわいと活力を生むまち

第3は、「ひとが集いにぎわいと活力を生むまち」づくりです。

農林業

 農業では、安定した農業経営の確立に向け、引き続き、農業基盤整備を推進するとともに、農業戸数の減少に伴う経営規模拡大に対応するため、スマート農業の実現に向けた新技術導入に対する支援に取り組んでまいります。
 また、重要病害虫対策・家畜伝染病対策について、引き続き、国および道と連携し進めてまいります。
 林業については、森林の持つ木材生産と環境保全という多面的機能の維持と再生を図るため、計画的な森林整備や林道施設の適切な維持管理に努めるとともに、落石防止対策を図ってまいります。
 また、エゾシカによる農作物被害対策を進めるとともに、ヒグマ被害を未然に防ぐため、専門家と連携しながら生息実態を調査し、対策を検討してまいります。

水産業

 漁業については、新たに濤沸湖においてのシジミ種苗生産と種苗放流技術の確立に向けた試験事業に支援するとともに、引き続き、網走湖のシジミ資源の安定化に向けた調査・研究やウニの増養殖試験を支援するほか、海面・内水面における漁場環境保全や網走湖および能取湖の水質・資源調査を支援し、漁家経営の安定化を図ってまいります。
 水産加工振興については、水産物のブランド化の推進のほか、当市に縁のある企業や友好都市などに加え、学校給食や東京農大オホーツクキャンパス食堂との連携により、地場水産物の認知度向上を図るとともに、ふるさと納税制度の活用により消費拡大を図ってまいります。
 また、外国人技能実習生の技能検定料を支援し、人口減少下においても、当市における持続的な水産業等の発展を図ってまいります。

観光

 観光については、地域DMO候補法人の事業拡大を支援し、戦略的な観光地域づくりを推進するとともに、地域資源を活用したアドベンチャーツーリズムの充実を図るほか、道の駅「流氷街道網走」の魅力向上を図ってまいります。
 また、新たに就航されたLCC成田女満別線の利用促進を図るとともに、コロナ禍により低迷している観光需要の回復および観光消費の減少対策として、宿泊割引クーポンの発行など観光需要の喚起を図ってまいります。
 「オホーツク網走マラソン2021」では、より魅力的に進化し続ける大会を目指して、市民の皆様とともに取り組んでまいります。

商工業

 中心市街地対策については、網走中央商店街振興組合や、網走商工会議所、「まちなか網走」などとの連携を図りながら、イベントの創出や地域商社機能の強化や空き店舗の活用などを支援するとともに、アフターコロナにおけるインバウンドの中心市街地への誘客を目指し、継続的に取り組んでまいります。
 企業誘致については、引き続き、地域の特性に即した誘致活動を推進するとともに、網走刑務所や地域の事業者との連携により、公有地などの資源を活用した事業を推進し、共生型地域社会の実現と持続可能な産業振興を目指してまいります。
 また、中小企業等への新型コロナウイルス感染症対策に係る支援や消費喚起など地域経済の回復に努めてまいります。

産業振興

 市場開拓・販路拡大では、ふるさと納税制度の積極的な活用を図りながら、特産品のPRに努めてまいります。
 就労対策では、女性や高齢者の就労支援に努めるとともに、社会インフラの維持に欠かせない、技能者、運転手などの人材育成をはじめ、働きやすい職場環境づくりを促進し、地域が若者を育てる気運の醸成に努めてまいります。
 また、企業のU・I・Jターンの取り組みを支援するほか、国の制度を活用し、東京圏からの移住者の起業・就業に対する支援に取り組んでまいります。

(4)豊かなひとを育むまち

第4は、「豊かなひとを育むまち」づくりです。

学校教育

 就学前施設から小学校への円滑な接続と連携のために、幼児と児童との交流や教職員が教育内容や指導方法の相互理解を深め、いわゆる「小1プロブレム」の未然防止を図るため、幼稚園・保育園・認定こども園・小学校の連携を進めてまいります。
 学校教育については、教育内容の充実、学校運営の改善、家庭を含めた教育環境の整備に努めることにより、子どもたちの確かな学力、豊かな人間性、健やかな体の調和のとれた成長を促す取り組みを推進してまいります。
 このため、学習支援員を配置し、習熟度別授業や少人数指導などに取り組むとともに、GIGAスクール構想により整備した一人一台端末等のICT機器を活用した教育の充実のほか、外国語指導助手(ALT)による英語教育の充実を図るなど、授業の円滑な進行と質の向上に努めてまいります。
 さらに、児童の学力・体力向上を図るため、東京農業大学の学生ボランティアによる学習サポートおよび、日本体育大学の指導者による子どもへの指導や教員研修に引き続き取り組んでまいります。
 また、学校給食については、子どもたちに安全で安心な学校給食を継続して安定的に提供していくための運営体制づくりを進めてまいります。
 特別支援教育では、特別な支援を必要とする子どもたちの学校生活や学習活動をサポートする支援員を配置してまいります。
 さらに、学校と地域が連携・協働により、地域とともにある学校づくりに取り組む「コミュニティ・スクール」を推進するとともに、校務の情報化と効率化や部活動指導員の配置により、教育の質の向上と教員の負担軽減を図り、すべての教員が子どもたち一人一人と向き合う時間を確保することができるよう、取り組んでまいります。
 高等教育については、網走南ヶ丘高校定時制課程の振興のための助成のほか、下校時の通学手段の確保を支援するとともに、東京農業大学や学校支援地域本部との連携による教育ボランティアの拡大に努めてまいります。
 東京農業大学については、学生確保対策として地元や友好都市等から入学する学生への学資支援金の給付を引き続き実施してまいります。
 日本体育大学附属高等支援学校については、経済的負担を軽減するため、入学費用の一部を支援するとともに、施設整備や教育活動に対して必要な支援を引き続き実施してまいります。

社会教育

 社会教育については、市民の主体的な学習が豊かで潤いのある地域づくりへと進展していく契機となるような学びの場の充実を図り、網走の魅力を再認識し、新たな発想や創造につながる学習機会を提供してまいります。
 また、子どもたちの豊かな心や感性、たくましく生きる力を育み、夢を持って生きることの素晴らしさを学ぶ、子ども夢育事業を引き続き実施するとともに、青少年の学習環境の整備を図るほか、高等教育機関等と連携した多様な学習機会を提供してまいります。
 図書館については、各種資料の収集や整備・保存に努めるほか、電子図書館の書籍充実を図り、多くの市民が読書に親しめる環境づくりに取り組んでまいります。
 博物館では、郷土の歴史について学び、体験する場として、企画展示や教育普及活動に取り組んでまいります。

文化

 芸術文化については、多くの市民が優れた芸術文化に触れ、豊かな人間性を育むことができる芸術文化活動の充実を図るため、さまざまな分野の鑑賞機会を提供してまいります。
 さらに、「ふるさとアーティストフェスティバル」の開催や芸術系大学、団体等の合宿誘致により、芸術文化の活動拠点づくりを図ってまいります。
 また、美術館では、優れた美術作品の鑑賞機会を提供する企画展や教育普及活動のほか、将来が期待される若手美術家の作品を、公共施設等に展示する事業に取り組んでまいります。
 モヨロ貝塚については、古代モヨロ文化を学び体験する講座の開催などにより、史跡を広くPRし、まちのシンボリックイメージとしてのモヨロ文化の定着を図ってまいります。
 国の登録有形文化財に登録された郷土博物館については、建物の保全に努めるとともに、国の重要文化財指定を目指し、引き続き必要な取り組みを進めてまいります。

スポーツ

 スポーツについては、競技スポーツの振興はもとより、誰もが生涯にわたってスポーツに親しみ、健康づくりを進めることができる環境づくりに取り組んでまいります。
 また、トップアスリートなどが「夢先生」として、授業を行う「夢の教室」を引き続き市内の全小学校で開催し、児童の健全育成に取り組むとともに、全道大会、全国大会に出場するスポーツ少年団へ遠征費用を支援し、子育て世帯の負担軽減を図ってまいります。
 障がい者スポーツについては、障がいのある人がスポーツに親しみ、身体を動かす喜びを体感することによって、健康増進や体力向上を図ることのできる環境づくりを進めるとともに、市内関係団体や日本体育大学附属高等支援学校と連携し、障がい者スポーツ選手や指導者の育成を図ってまいります。
 スポーツ合宿については、関係機関や団体との連携を図りながら、誘致活動に努めてまいります。
 また、一年延期となりました東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関しては、ホストタウンとして市民との交流事業などを進めるほか、これまで培ってきたキャンプ地として得た評価を活かしながら、他の国や競技についても合宿誘致に努めてまいります。

交流

 国際交流については、姉妹都市であるポートアルバーニ市や大韓民国蔚山広域市南区とは、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、今後の友好交流について対応してまいります。
 地域間交流では、網走の食材を扱う市外事業者や、ふるさと寄附をいただいた方々を中心にあばしり応援人・応援隊を募るとともに、東京農業大学の卒業生などへのアプローチによる関係人口の創出・拡大を図るとともに、網走の食材と農大の学びを活かしたオープンカレッジを首都圏で開催し、消費者と生産者をつなぐ交流機会を拡大することで、知見の還流やビジネスマッチングの創出を推進してまいります。
 また、網走で働くことを希望する若者を大都市圏から募る地域おこし協力隊に引き続き取り組み、移住・定住の促進に努めます。

(5)ともに歩み、ともに築く協働のまち

第5は、「ともに歩み、ともに築く協働のまち」づくりです。

地域協働

 地域協働については、まちづくりの主体である市民や地域活動の核である町内会、さまざまな分野で活動している市民活動団体などの多様な組織・団体とともに取り組んでまいります。特に、住民による助け合い支え合う「共助」と「地域力」の向上を図る町内会活動への理解と市民活動の活性化を支援してまいります。
 広報・広聴分野では、広報紙の充実に努めるとともに、「FMあばしり」などさまざまな情報伝達手段を活用して、正確で的確な市政情報の提供に努めてまいります。
 また、「まちづくりふれあい懇談会」「みんなの市長室」「市長への手紙」などを引き続き実施し、市民とともに築くまちづくりを進めてまいります。

行政運営

 行政運営の取り組みについては、「網走市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の進捗状況や達成度を検証・分析するとともに、効率的、効果的施策を推進してまいります。
 また、「網走市公共施設等総合管理計画」に基づく適正な公共施設等の適正配置に加え、新たに「第5次網走市行政改革推進計画」を策定し、効率的で効果的な事務事業の推進を図り、健全な財政運営に取り組んでまいります。
 広域連携については、連携協定を締結している大学、企業などのほか、JR北海道問題や、観光・空港の振興、地方創生に関する連携などによる取り組みに加え、地域が抱える多様な課題解決を戦略的に推進する「未来を考える戦略センター」の機能強化を図ってまいります。
 また、大空町と形成している定住自立圏では、共生ビジョンに基づき、公共施設の利用料フラット化および土曜日における小中学生の社会教育施設利用料の無料化など、圏域形成に必要な生活機能の確保を図る取り組みを進めるとともに、斜網地域1市4町による定住自立圏域の拡大に向けて取り組んでまいります。

4 おわりに

 世界中に拡大した、新型コロナウイルス感染症が市民生活に与えた影響は、マスクの供給不足からはじまり、学校の休校や全国に広がる自粛生活、そして経済の冷え込みなど、だれもが経験のしたことのない状況となりました。
 新型コロナウイルスという収束の見えない中で、不安が募り、日常生活への制約が長引くことでの影響も懸念をされ、こうした状況下にあって、人々の苛立ちからの何気ない一言が他の人を傷つけているかもしれないという想像力が必要なときかもしれません。
 互いに声を掛け、励ましあう思いやりの心が、誰かを勇気づけることにつながるかもしれません。
 一日も早く日常が戻ってくるよう、感染拡大防止に努め、支え合いの心を広げていくために、改めて一人ひとりができることを考えてみる今、次の時代を見つめ、網走の持つさまざまな魅力を活かしたまちづくりを市民の皆様と目指してまいりたいと存じます。
 議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。