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予防接種の副反応
予防接種は、特定の病気に対する抵抗力(免疫)をつくって、その病気を予防する助けとなるものです。この予防接種の後に、熱が出たり、はれたりすることがあります。このような症状を副反応と言います。
副反応というと「とてもこわいもの」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。そのほとんどが一時的な症状で、本当にかかったリスクに比べると軽く、重度の副反応はきわめてまれです。
以下にて、ワクチンの種類ごとの副反応・症状をまとめています。予防接種の際は必ず、副反応・症状をご確認ください。
引用:予防接種に関するQ&A集(一般社団法人 日本ワクチン産業協会)】
ヒブワクチンの副反応
症状局所反応として発赤、腫脹、硬結、疼痛、全身反応として発熱、不機嫌、食欲不振、嘔吐、下痢、不眠、傾眠等がみられることがあります。
小児用肺炎球菌ワクチンの副反応
接種部位の局所反応として腫脹、紅斑、硬結等がみられますが、おおむね軽度で自然に回復します。その他、全身的な副反応として、発熱、易刺激性、傾眠状態がみられることがあります。
B型肝炎ワクチンの副反応
主な副反応は倦怠感、頭痛、局所の腫脹、発赤、疼痛等があります。ワクチンの種類によっては過敏症(発熱、発疹、じんましん、紅斑、そう痒等)が現れたとの報告があります。
ロタテック(ロタワクチン)の副反応
接種後14日間に報告された主な副反応は、下痢、嘔吐、胃腸炎、発熱です。また、重大な副反応で、腸重積症、アナフィラキシー(頻度不明)が報告されています。
ロタリックス(ロタワクチン)の副反応
接種後8日間に報告された主な副反応は、易刺激性、下痢、咳嗽/鼻漏です。また、重大な副反応で、腸重積症、血便排泄等が報告されています。
四種混合ワクチン(百日せき・ジフテリア・破傷風・ポリオ)の副反応
接種部位の副反応として紅斑、硬結、腫脹、接種部位以外の副反応として発熱、気分変化、下痢、鼻漏、咳嗽、発疹、食欲減退、咽頭発赤、嘔吐がみられます。重大な副反応として、極めて稀にショック、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、脳症、けいれん等がみられることがあります。接種部位の副反応は数日で自然に治まりますが、硬結は縮小しながらも数か月は持続することがあります。発熱のピークは接種翌日に多くみられ、7日ほど持続することもあります。
麻しん・風しん混合ワクチンの副反応
副反応の主なものは発熱、発疹です。1回目の接種後にみられる発熱や発疹は、接種後13日以内に多く見られます。接種直後から数日中に過敏症状と考えられる発熱、発疹、そう痒等がみられることがありますが、これらの症状は1~3日で治癒します。2回目の接種では発熱や発疹の頻度は低いですが、接種翌日の局所反応が多いです。稀にショック、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、急性散在性脳脊髄炎、脳炎・脳症、けいれん等がみられることがあります。
麻しんワクチンの副反応
比較的発熱率の高いワクチンです。ウイルスが体内で増殖する時期(接種後5~14日)に発熱や麻疹様の発疹がみられることがあります。発熱は通常1~2日以内に消失します。発疹は少数の紅班や丘疹から自然麻疹に近い場合もあります。その他に局所反応、熱性けいれん、じんましん等がみられますがほとんど一過性のものです。頻度は不明ですが、血小板減少性紫斑病、急性散在性脳脊髄炎、脳炎・脳症の報告もあります。
風しんワクチンの副反応
稀に発疹、じんましん、紅斑、そう痒、発熱、リンパ節の腫脹、関節痛等がみられることがあります。重篤な副反応として、ショック、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病が報告されています。
水痘ワクチン(みずぼうそう)の副反応
副反応の主なものは接種局所の発赤・腫脹、発熱、発疹です。その他、稀に接種直後から翌日にかけて、過敏反応(発疹、じんましん、紅斑、そう痒、発熱等)が現れることがあります。重大な副反応として、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、帯状疱疹を伴った無菌性髄膜炎があります。接種後1~3週間ごろに、発熱、発疹、水疱性発疹が発現することがありますが、一過性で通常数日中に消失します。
二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風)の副反応
接種部位の副反応として局所反応(発赤、腫脹、疼痛等)がみられます。稀に重篤な副反応として接種後にアナフィラキシー等がみられることがあります。また、血管迷走神経反射による失神が起こることがあります。
その他に、BCG、日本脳炎、子宮頸がんのワクチン接種があります。BCGワクチンおよび子宮頸がんワクチンの副反応・症状については、接種時に配布する予防接種説明書にてお知らせしております。日本脳炎ワクチンの副反応・症状については、接種対象となった際に配布する個別通知にてお知らせしております。