冬の網走には、この時期にしか見ることができないもの、体験できないことがたくさんあります。そのうちのほとんどは、よほど運がよくないと、わずかな滞在期間では体験できないものです。冬の網走に長期滞在して、普通の観光では味わえない感動を体感しましょう!
冬の網走といえばやはり、オホーツク海を一面真っ白に埋め尽くす流氷でしょう。流氷は海面を漂い、風に吹かれて遠くアムール川河口付近から流れてくるものなので、ひとくちに流氷と言っても、それは様々な形をしています。また、わずかな時間で大きく移動することもあるため、様々な流氷の表情を見ることができ、同じ光景に出会うことは2度とありません。
流氷以外にも、冬の網走特有の様々な自然現象を目にすることができますが、滞在期間が長ければ長いほど、これらを体験できる可能性が高くなるということだけは間違いありません。
網走で見られる流氷は海水が凍ったもの。すなわち「海氷」です。オホーツク海沿岸は海氷を見ることができる最も緯度の低い地域となります。(太平洋側でも一部、流氷を見ることができる地域があります。)
オホーツク海には、ロシアと中国の国境付近を流れるアムール川から大量の淡水が流れ込みます。そのため、オホーツク海の上層部は他の海と比ると少しだけ薄まっていることから、他の海と比べると凍りやすい状態になっています。その他にも様々な条件が奇跡的に重なって、オホーツク海沿岸では流氷を見ることができます。
流氷をみることができるだけでも、まさに奇跡なのです。それでは、様々な流氷の姿を写真で見ていきましょう。
※流氷のでき方やオホーツク海と流氷の関係について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
折り重なる流氷
幻氷(奥)と流氷(手前)
一面の流氷と能取岬
蓮氷
蓮氷と朝日
流氷に乗るアザラシ
氷泥
かなとこ氷
流氷観光砕氷船「おーろら」
荒波と流氷
網走の冬、特に早朝は-20℃近くまで冷え込むことがあります。そんな気温になると、空気中の水分も凍ってしまい、それに光が反射すると「ダイヤモンドダスト」と呼ばれる現象が起きます。小さな小さな氷の結晶が光を乱反射させながら、空気中をきらきらと舞うのです。さらにこの小さな結晶がある規則性を持って並んでいる時、そこに太陽光があたると空から地面に向って垂直方向に光の柱が浮かび上がるときがり、それが「サンピラー」と呼ばれる自然現象です。
主に日の出時と日没時に見られる現象で、気温がある程度低いことに加え、風が弱い等の条件がうまく重ならないと見ることのできない珍しい現象なのです。
※写真は夕方に撮影したものです。
霧氷とは、冷たい霧や雲が樹木などに吹き付けたとき、その表面に付着する氷のことです。網走では冬になると、網走川から発生した霧(水蒸気)が周囲の樹木に触れて、表面に付着した霧氷がたびたび見られます。日の光が当たるとキラキラと輝き、木に宝石をちりばめたかのような美しさです。
※写真は摩周湖で撮影したものです。
フロストフラワーとは、空気中の水蒸気が氷や石などの表面に付着して凍りつき、花びらのような形に成長したもののことです。通常は凍結した湖で見られることが多いのですが、写真は自宅の玄関(コンクリート)に咲いたフロストフラワーです。極寒の冬に野外で咲くことができるのはフロストフラワーだけ。まさに、厳冬の時期にのみ見られる“希少種”と言えます。
冬の網走では、「オホーツク流氷まつり」という大きなイベントが開催され、大小40基近い雪像を鑑賞、多彩なステージイベントも用意されています。イベント以外にも、冬の網走では様々な自然体験ができますので、それらをご紹介します。
オホーツク流氷まつりは毎年2月上旬に開催されるイベントです。メイン像を含め、大小40基近い雪像を見学できるほか、多彩なステージイベントに加え、飲食コーナー、物産コーナーも設けられており、こどもから大人までみんなで楽しむことができます。詳しくはこちらをご覧ください。
流氷まつり会場
飲食コーナー
流氷みこし
流氷パタラ
上記のイベント以外にも、網走では様々な体験メニューや自然体験を楽しむことができます。その内のほんの一部ではありますが、写真でご紹介します。
紹介した以外にも、ドライスーツを着て流氷の上を歩く「流氷ネイチャリング」、流氷の下の海にもぐる「流氷ダイビング」など様々な体験メニューが用意されています。
また、用意されたメニュー以外にも、スノーシュー(西洋かんじき)を履いて野山に繰り出せば、それ自体が素晴らしい自然体験になります。ぜひ、冬の網走に長期滞在して、普通では味わえない体験をしてみませんか?