最終処分場延命化方針について
最終処分場延命化方針について
- 1.最終処分場の現状
- (1)最終処分場の現状について
最終処分場は、平成30年度から令和14年度までの15年間供用する計画で建設をしました。
しかし、最終処分場への埋立量は、計画を上回る埋め立てとなっており、令和4年10月の測量結果からは、このペースの使用では、令和9年度までで満量になると推計しています。
大きな要因は、「埋立・粗大」が、計画量より多い状況となっていること、「紙おむつ」が、計画では埋立と見込みながらも中間処理システムの導入予定が進んでいないこと、「生ごみ残さ」が、機器等の故障などにより計画していた処理ができていないという状況にあります。
このことから、令和4年度から取組みを進めている生ごみ堆肥化の改善などの計画する改善策(延命策)を実現し、確実に実施していくこととします。
(2)最終処分場の残余量測量について
令和4年10月の残余量測量結果では、使用割合が43%(60,210立法メートル)との結果となり、令和4年10月までの1年間と同量の埋立を続けた場合には、法で認められている軽微変更の届出をして埋立量を10%増やす対応をして、あと5年程度(令和9年度まで)で埋立満量と推計しています。
- 2.対応の方向性について
- 最終処分場延命化の対応の方向性は、次のとおりとします。
(1)限りある貴重な空間である最終処分場を少しでも長く利用するため、最終処分量の減容・減量に取り組み、延命化を図っていきます。
(2)最終処分場の処理に係る設備・機器の整備は、委託事業者と協議し整備方針を定め、効果的な実施となるよう進めます。
(3)(仮称)最終処分場延命化計画(方策)を策定し、進捗の把握を通した取り組みを着実に進めていきます。
(4)最終処分場という廃棄物の最終地の実態を通じて、市民・事業所などに積極的な情報発信・啓発により、延命化に協力いただける機運を高めていきます。
- 3.この方針の位置づけについて
- 今年度(令和4年度)、最終処分場の延命化内容を検討する委託事業を実施しており、報告書(成果品)の完成は、令和5年3月となることから、中間報告をもとに具体的方策を含めた本方針により検討・取り組みを進めていきます。
令和5年4月以降は、最終的な報告書(成果品)の内容による(仮称)最終処分場延命化計画(方策)を策定し、取り組みの推進を図っていきます。
- 4.延命化方策について
- 最終処分場の延命を図るため、埋立量の減容と減量の方策は、次の項目を主なものとして取り組んでいきます。
(1)生ごみ堆肥化の維持・向上
年間での生ごみ堆肥化率77%の維持を目標に、向上の取り組みを進めていきます。
生ごみ堆肥化率77%を年間で維持することにより、令和3年度実績で推計すると、埋立てとなる生ごみ残渣は、年間686立方メートルの埋立容積への縮減になると推計しています。
(2)容積比の大きいごみの減量・減容
二軸破砕機(自走式)導入による未破砕物の破砕処理
最終処分場に入れる前の破砕機処理が困難なものは、年間約1,113トン(4,125トン/年の約27%)あり、直接埋立としています。
これまで既存の破砕機では破砕処理できなかったものを破砕能力の高い二軸破砕機の導入で破砕することにより、年間924立方メートルの埋立容積への縮減になると推計しています。
また、既存の施設の破砕機が故障等により停止した場合にも、二軸破砕機での処理が可能となり、このような事態での直接埋立の回避対策を取れるため、二軸破砕機を導入します。
紙おむつの減容処理による埋め立て容積の縮減
民間廃棄物処理業者の高温高圧処理機で紙おむつを委託処理します。
紙おむつを高温高圧処理機で処理することにより、令和3年度実績(845トン)で推計すると、約70%の減容化となり、年間1,893立方メートルの埋立容積への縮減となると推計しています。
紙、布類の減容処理による埋め立て容積の縮減
令和5年度から埋め立てしている汚れ等でリサイクルに回せない紙類・古着などの布類を大空町で焼却処理し、埋立容積への縮減を図ります。
紙と布類154トンを焼却することで約90%減容化し、年間459立方メートルの埋立容積の縮減になると推計しています。
(3)埋立ごみに含まれる資源物の資源化促進
家庭系や事業系から分別・収集された埋立ごみに対する組成調査(H30年度ごみ質調査)の結果、排出量に対する資源物(主に紙類)・容器包装プラの混入率は、家庭系の埋立ごみで、14.8%(重量割合)、事業系の埋立ごみで、43.1%(重量割合)となっています。
家庭系のリサイクル率は市民の分別協力もあり、令和3年度で、33.1%と、北海道が目指す「一般廃棄物のリサイクル率30%以上」を達成しています。
特に容積比率の高い容器包装プラスチック、紙類など資源物への排出時の協力により最終処分場への埋立容積への縮減が見込めるため、重点的な啓発活動をしていくことを検討します。
(4)即日覆土量の削減
即日覆土は、埋立廃棄物の飛散防止と臭気対策のために埋立のたび土砂で覆うものであり、埋立廃棄物とともに埋立量として計算されるものです。
令和3年度の廃棄物1トン当りに対する即日覆土量は0.46立方メートルでしたが、令和5年度以降は、本来の対策に留意しながら、即日覆土量を0.20立方メートルに少なく(薄く)することにより、埋立量の減量を行います。
これにより、令和3年度の実績と比較して、令和5年度は3,515立方メートル、令和6年度以降は、年間3,699立方メートルの埋立容積への縮減となると推計しています。
(5)事業者への啓発と指導
事業系ごみの埋立量は、年々増加傾向の状態です。また、(3)のとおり、事業系ごみについても埋立ごみに混入する容器包装プラスチック、紙類など資源物の量が多い状態であり、事業者に対して、排出抑制や分別の徹底についての協力依頼、啓発と違反事業者に対しての指導を重点的に実施していきます。
(6)軽微な変更による埋立容量の増加
廃棄物処理法に基づく事前届出を要しない軽微変更の届出を行うことにより、埋立容量の増加ができることとなっています。
軽微変更は、構造的影響、生活環境への影響に問題がない変更が対象となっており、埋立量の変更については、10%以下の増加、最終覆土厚さは、1.0mで届出していますが、変更により最終覆土厚さを50cmにすることができ、その場合、23,900立方メートルの埋立容量(最終覆土を除く。)の増量ができると推計しています。
(7)今後のごみの広域処理による最終処分場への影響
1市4町(網走市、美幌町、斜里町、小清水町、大空町)による斜網地区廃棄物処理広域化推進協議会で進めているごみの広域処理では、令和10年度からの焼却処理を予定していることから、令和10年度からの埋立量は、現在の破砕埋立処理で埋立ている容積(可燃・不燃ごみ)が5分の1になると推計しています。
このことから、最終処分場には、埋立量の大幅な縮減の影響が出てくると推測します。
- 5.次期最終処分場整備の検討
- 最終処分場の残余容量の測量については、残余の埋立容量を把握する国(環境省)の省令で具体的な算定方法として示している「最終処分場残余容量算定マニュアル」に基づいた測量方法を条件として、専門事業者への委託により実施をし、その結果と軽微な変更による埋立容量の増加分を加えたものを基軸とした最終処分場の満量期間の推計により、次期最終処分場の整備を検討していきます。
次期最終処分場の設置の期間は、構想から工事完了まで6年間として、令和4年度から構想に着手していますので、令和9年度中の設置と令和10年度からの共用を計画しています。
ただし、毎年の延命化対応の効果予測により、最終処分場の満量期間の延長が見込める場合には、次期最終処分場の工事等を後に延ばすことも検討していきます。
- 6.評価測定について
- 延命化の取り組みについては、評価と効果が低い場合の早急な対応等をしていくため、定期の測定をしていきます。
このことから、最終処分場の残余容量測量は、これまでの年1回から年4回(5月、8月、10月、12月)の測量による残余容量の把握を行いながら、延命化の取り組み実績・対応など分析し、残余容量の推計に生かし、残余容量の管理をしていきます。
また、令和5年度からは、設置を予定する網走市廃棄物処理等推進審議会において進捗と取組状況への意見を聞き、進捗状況を公表するなど市民との情報共有を図りながら取り組みへの理解と協力がいただける対応を図っていきます。
- 7.延命化策の効果推計
- 延命化方策による埋立量の減容と減量の効果推計をした最終処分場の埋立容量推計について、軽微変更後(10%の増量・最終覆土厚の変更)の処分場の全体容量は152,900立方メートル(最終覆土を含む。)となり、埋立可能量の142,900立方メートル(最終覆土を除く。)は、廃棄物・即日覆土の埋立可能容量として推計しています。
なお、最終覆土に関しては最終埋立完了後に、厚さ50cm(約10,000立方メートル)施工することとしています。
また、計画をしている令和10年度からの焼却処理の開始と延命化方策等の取り組みを確実に進めることにより、数値化した取り組みの減容化目標達成率100%とした場合では、令和14年度、数値化した取り組みの減容化目標達成率80%とした場合では、令和12年度まで処分場が延命できる推計です。
最終処分場延命化方針について
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お問い合わせ先
生活環境課 清掃リサイクル係
電話:0152-44-6111(内線328)
