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実践健康づくり【減塩編】
食塩をとりすぎると体に良くないワケ
食塩のとりすぎは「高血圧」から「動脈硬化」に進み「心臓病」や「脳卒中」につながります。
- 食塩をとりすぎると、血液中にナトリウムが過剰に取り込まれます。
- 体はナトリウム濃度を一定に保とうと、血液を水で薄める働きをします。
- 結果として血液量が多くなり、心臓に負担がかかり、血管にも強い圧力がかかって、高血圧を招きます。
- 高血圧になると、血管が傷つき動脈硬化を進行させます。
- 動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中など命に係わる病気を招きます。
食塩、とりすぎていませんか?
厚生労働省は、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で、塩分の1日摂取量の目標量を
男性で7.5g未満、女性で6.5g未満としています。(高血圧の人は6.0未満)
上手に減塩する方法
食べるときに減塩
ラーメン、そば、うどんなどのめん類の汁は残す
「かけうどん」の汁を飲み干した場合の食塩摂取量 約5g(めん0.8g+汁4g)
汁を飲まなかった場合の食塩摂取量 約3g(めん0.8g+汁約2g) マイナス2gの減塩に!
調味料を追加しない
たいていの食品には、すでに十分な量の食塩が含まれています。食べるときに調味料を追加すると、塩分過多になりがちです。
- 食卓に調味料は置かない
- しょうゆは「かける」より「つける」
- 弁当などについている調味料は全てを使わない
- 追加するなら酢やレモン、唐辛子などを活用するなどの工夫を!
みそ汁や漬物などは食べる回数を減らす
みそ汁1杯には、約2gの食塩が含まれます。これを毎日飲むと、塩分過多に。
また、漬物や佃煮、塩辛などにはたくさんの食塩が含まれています。
汁物は1日1回にする、漬物などは1日おきに食べるなど回数を減らしましょう。
食品の塩分に注意する
市販のカップラーメンに含まれる食塩の約4.6g!これだけで1日分に近い量の食塩を摂取したことになります。
外食や市販のお惣菜なども濃いめに味付けされていることがあります。
メニューや商品に記載してある「食塩相当量」を確認しましょう。
カリウムが多く含まれる食品を積極的にとる
野菜や果物に多く含まれるカリウムと水分を一緒にとると、食塩の主成分であるナトリウムを体外に排出しやすくなります。
生活習慣病予防の観点から、1日3,500mgが望ましいとされています。
カリウムは茹で汁に逃げてしまうので、生か炒め物、蒸すのがコツです。
(注)腎臓病などの疾病のある人は医者や管理栄養士の指示に従いましょう。
果物などに偏ると、中性脂肪が高くなりますので注意しましょう。果物は一日どれか1個が望ましいとされています。カリウムの他にもカルシウムや鉄分も血圧を下げる効果があると言われています。色々なものをバランス良く摂りましょう。
カリウムが多く含まれる食品
- ほうれん草 1束 138mg
- 焼いも 1/2本 540mg
- 干し柿 1個 470mg
- バナナ 1本 360mg
- アボカド 1/2個 900mg
- にら 1束 510mg
- じゃがいも 1個 410mg
- トマト 1個 315mg
作るときに減塩
調味料に含まれている塩分量を知っておく
私たちの食塩の供給源として、もっとも割合が高いのが「調味料・香辛料類」です。使い過ぎに注意しましょう。
ソースやケチャップなどは食塩含有量が少ない調味料です。また、最近ではさまざまな減塩調味料も市販されてます。
これらを上手に使いましょう。(注)腎臓病などの疾病のある人は医者や管理栄養士の指示に従いましょう。
含まれる食塩の量(大さじ1)
- 濃い口しょうゆ 2.6g
- 減塩しょうゆ 1.5g
- だし入りみそ 2.1g
- 減塩みそ 1.7g
- ポン酢 1.4g
- 中濃ソース 1.0g
- ケチャップ 0.5g
- マヨネーズ 0.3g
- バター 0.2g
- 焼き肉のたれ 0.9g
旬の食材を選ぶ
新鮮な旬の食材は、素材そのものの味が濃いので、濃い味付けをしなくてもおいしくいただくことができます。
天然食品でだしをとる
こんぶなどの海藻類、かつおやにぼしなどの魚介類、干ししいたけなどのきのこ類からは「うまみ」たっぷりのだしが出ます。
しっかりだしをとることで、塩味が少なくても、おいしく感じることができます。
酸味をいかす
酢、レモン、かぼす、すだちなどの酸味を利用することで、薄味の物足りなさを解消できます。
「酢」は数少ない、無塩調味料です。活用しましょう。
香辛料、香味野菜などをつかう
香辛料
カレー粉、しょうが、からし、わさび、唐辛子など
香味野菜
しそ、ねぎ、あさつき、みょうが、パクチーなど
種実類
ごま、くるみ、ピーナッツなど