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平成27年度教育行政執行

はじめに

 平成27年第1回定例会の開催にあたり、教育行政の基本的な考え方と施策の大要について申し上げます。

 今日、我が国は人口減少、超高齢化、長期にわたる経済の低迷、また3年前に発生した東日本大震災や原発事故への対応など、これまでに経験したことのない様々な社会経済の課題や困難に直面しています。
 また、教育委員会制度改革や道徳・英語の教科化など、教育を取り巻く情勢も大きく変化することが見込まれるところであります。

 教育には、これからの変化の激しい社会に柔軟に対応できる人材の育成が求められるところであり、子どもたちには困難に立ち向かい、新しい時代を切り拓くたくましさを身につけてほしいと思うところであります。

 教育委員会としましては、社会がどのように変化しようとも、主体的に判断し、行動し、課題解決できる「生きる力」の育成に努めるとともに、教育環境の整備等、教育の充実・発展に尽力してまいります。

 このような認識のもと、様々な教育課題に対応するため、「網走市学校教育計画」や「第3次網走社会教育長期計画」などをはじめとする各種プランに基づき、関係部局や関係機関・団体との連携を一層強化して、各種施策を推進してまいります。

この後は、主な項目について申し上げます。

1.幼保小等連携

 第一に、幼児教育と小学校教育の連携についてであります。

 幼児が小学校へ入学する際、大きな環境の変化から、集団行動が取れない、授業中に座っていられないなどのいわゆる「小1プロブレム」の未然防止を図るために、就学前施設から小学校への円滑な接続と連携が必要となります。
 このため、幼児と小学校児童との交流や教職員が教育内容や指導方法についての相互理解が深められるよう、「幼稚園・保育園・認定こども園・小学校」の連携を進めてまいります。

2.義務教育

 第二に、義務教育についてであります。

 自ら学び、自ら考え、豊かで幸せな人生を切り開いていくことができる「生きる力」を育むためには、「知(確かな学力)・徳(豊かな心)・体(健やかな体)」の調和のとれた教育活動を推進していくことが重要であり、学校、家庭、地域社会及び行政がそれぞれの役割と責任を果し、相互の連携を深めながら様々な施策を推進してまいります。

 はじめに、「確かな学力」についてでありますが、「全国学力・学習状況調査」の結果では、全国の平均正答率との差は年々縮まりつつありますが、依然として基礎・基本に課題があるところであり、基礎学力の定着・向上が喫緊の課題となっています。
 教職員の指導力向上の方策として、引き続き、市内全校での公開研究会の実施、各研究会や研修会への教職員の参加などによる学習指導方法の工夫改善を進める取り組みとともに、全児童生徒の実態と理解を深める方策として、標準学力検査の一斉実施により学力状況の確実な把握を図ってまいります。
 わかる授業や少人数指導につきましては、基礎・基本をいかに着実に定着させるかが最重要課題となっている算数・数学について、学習支援員を配置し少人数指導を図るとともに、引き続き、チャレンジテストの活用、長期休業中や放課後の学習サポート等を推進してまいります。
 また、家庭・地域と連携した学力向上の方策として、家庭での学習習慣を確立するための生活リズムチェックシートの積極的な活用を図ってまいります。

 「豊かな心」の教育につきましては、子どもたちの豊かな人間性や社会性を育むために学校全体で道徳教育に取り組むとともに、網走市読書感想文コンクールを開催するなど家読(うちどく)を推進するとともに、あらゆる教育活動を通して、命の大切さや思いやりの心、規範意識などを育む道徳教育の一層の充実を図ってまいります。

 「健やかな体」の育成につきましては、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果から、当市の児童生徒は全国と比較し体格は良いものの、体力・運動能力面においては大きく全国平均を下回る実態にあり、運動習慣・生活習慣面においても課題が見られることから、体力向上を目指す「一校一実践」の取り組み、「網走マラソン大会」への参加促進などに努めるほか、各学校での体力向上のための取り組みを支援してまいります。

 次に、生徒指導につきましては、LINE(ライン)、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)などに代表されるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用上のトラブルのほか、いじめ、不登校、児童虐待など、様々な課題が指摘されていることから、各学校における情報モラルに関する指導や、相談・連絡体制の充実を図り、これらの未然防止、早期発見に努めてまいります。
 特に、いじめ問題は、事実関係の早期把握に基づく的確な対応等による問題解決が必要となることから、学校における教職員間の情報の共有や指導体制の充実を図るとともに、児童生徒理解に努めるほか、各学校の児童会・生徒会等が行う「いじめ撲滅」に関する活動や子どもたちが主体的に考える機会として開催する「網走市こども会議」などの取り組みを継続して支援してまいります。
 また、「スクールカウンセラー」の配置や「家庭児童教育相談室」の活用促進、さらには「適応指導教室(クリオネ学級)」での不登校児童生徒の学校復帰のための取り組みを進めてまいります。

 特別支援教育につきましては、特別支援学級や通常学級に支援員を増員して配置するほか、教職員や支援員を対象にした研修会の開催や、教材教具の整備等にも努めてまいります。

 経済的理由によって就学が困難な児童生徒の就学援助につきましては、クラブ活動費・PTA会費・生徒会費を援助費目として拡大し、全ての児童生徒が義務教育を円滑に受けることができるよう努めてまいります。

 登下校時の児童生徒の安全確保につきましては、各地域において見守り活動が行われており、これらの活動を側面的に支援していくとともに、スクールガードリーダーを継続して配置するほか、パトロール活動用の資材の整備、関係行政機関等で組織する「子どもの安全確保連携会議」との連携など、子どもたちを不審者等から守る取り組みを継続して行ってまいります。

 学校図書館につきましては、引き続き蔵書の充実を図るとともに、専ら学校図書館の職務に従事する学校司書を増員して配置するなど、子どもたちの読書環境の一層の充実に努めてまいります。

 学校施設の整備につきましては、学校施設整備計画に基づく計画的な整備に取り組んでまいりますとともに、屋体設備の落下防止対策及びトイレの洋式化を進めるなど、児童の安全確保及び学校施設の環境改善の取り組みを推進してまいります。

 次に、学校給食につきましては、本年度も給食用備品の計画的な整備や設備の改善を進めるなど、子どもたちに安全で安心な学校給食の提供に努め、給食食材の産地公表及び放射性物質検査を引き続き実施するとともに、地産地消の取り組みも推進してまいります。

 このほか、学校施設につきましては、引き続き地域に開放するとともに、学校評議員や「学校支援地域本部事業」の活用、学校ホームページの作成などにより、地域に開かれた信頼される学校づくりに努めてまいります。

3.高等学校・高等教育

 第三は、高等学校・高等教育についてであります。

 網走南ヶ丘高校定時制課程振興のための助成を引き続き実施していくとともに、東京農業大学生物産業学部や学校支援地域本部との連携による、市内小中学校での農大生や一般市民の「教育ボランティア」の拡充に努めてまいります。
 また、奨学資金貸付制度についても、従来同様の運用を図ってまいります。

4.生涯学習

 第四に、生涯学習についてであります。

 市民一人一人の自主的な学習や市民相互の学習活動は、豊かな暮らしを支える基盤となるものであります。
 そのため、学習活動への支援、学習資料の収集、情報提供の充実を図るとともに、継続した学習活動による市民の自己実現が促進されますよう、学習環境の整備に努めてまいります。
 また、オホーツク・文化交流センターや市民会館の施設の補修、更新を図り、市民が安心・安全に利用できる環境整備と管理に努めてまいります。

 図書館につきましては、市民の様々な生活課題の解決や生涯学習を支援するため、幅広い図書資料の収集と整備・提供の充実を図ってまいります。
 市民が利用しやすい環境づくりにつきましては、無断持出感知システムの更新を図ってまいります。
 また、子どもの読書活動を推進するため、引き続き学校などと連携した事業の実施、図書館内外でのよみきかせ会の開催や新たに読書ノートの整備などに努めてまいります。
 高齢者や障がいのある方々の読書活動につきましては、ボランティア団体等との協働による読書機会の充実に努めてまいります。
 また、利用者拡大とサービス向上を目的に、今年度は祝日の振替休館としていた日を開館し、開館日の拡大を実施してまいります。

5.社会教育

 第五に、社会教育についてであります。

 平成21年度から平成30年度までの間、「網走市社会教育長期計画」に基づき、学習機会の提供や学習環境の整備に努めているところでありますが、網走の魅力や価値を発見・再確認するとともに、学びの中から地域の課題解決に向けて様々な活動と結び合える契機となるよう、「あばしり学講座」を中心に、「まなびすと講座」や「てづくりすと講座」など、市民の学習課題・学習要求に対応した講座を開設してまいります。
 また、市民の学びの成果を活用し、地域ぐるみで学校教育を支援する「学校支援地域本部事業」や「放課後子ども教室推進事業」、子どもたちの学習活動に市民指導者が活躍する「ロセトクラブ」や、「子ども科学フェスティバル」、「宇宙の学校」など、市民や関係団体と連携し、子どもたちへ質の高い学習機会を提供してまいります。
 さらに、高齢者の学習活動の機会として開設しております寿大学が50年の節目を迎えますことから、高齢者の更なる学習意欲の奨励と、市民が大学への理解をより深めていただく機会として記念事業を開催いたします。

6.家庭教育

 第六に、家庭教育についてであります。

 社会の急速な変化により、子どもたちや保護者を取り巻く家庭環境が大きく変化していることから、子育てにおける不安の解消と、家庭の教育機能向上のために、引き続き子どもたちの発達段階に対応した各種事業を、学校、市民部、福祉部など他部局や関係機関と連携を図りながら実施してまいります。

7.芸術文化

 第七に、芸術文化についてであります。

 市民文化の高揚は地域社会に豊かさと潤いをもたらし、創造的な地域づくりの基礎となるものと考えますことから、市民の誰もが優れた芸術文化に触れ、自ら行う創作活動や文化活動に対しての支援を引き続き実施してまいります。
 市民自らが企画する学習活動であります市民大学が本年度は40周年を迎えますことから、一層充実した講座の開催となるよう支援をしてまいります。
 また、世代を越えて楽しめる様々な領域の芸術鑑賞機会を、市民の企画提案を受け入れながら実施してまいります。
 特に、2年置きの開催となる「ふるさとアーティスト公演事業」につきましては、ふるさと出身のアーティストが網走で絆を深めながら多くの市民と交流する機会とするとともに、優れた芸術文化の専門家が集う活動拠点づくりをめざしてまいります。

 美術館につきましては、優れた美術作品を鑑賞する機会を提供するため、郷土の作家作品を中心にした収蔵作品・企画展を開催してまいります。
 企画展では、阿部典英氏の巨大な立体作品を紹介する『阿部典英展』と、岩内町の荒井記念美術館所蔵作品の、『ピカソの版画展』を開催いたします。
 また、様々なジャンルの作家による企画として昨年度好評でありました『ミニミニ展』を引き続き開催いたします。
 さらに、小中学生のための美術展、市内学校への「出張美術館」を引き続き実施するほか、各種講座や作品解説会を開催するなど、美術教育普及活動を推進してまいります。

 博物館につきましては、自らが住まう地域について理解し、郷土を語ることのできる博物館として、展示や資料の充実に努めてまいります。
 また、企画展として、市指定文化財の幕末期の絵馬を紹介する「網走の絵馬展」と、網走の自然をテーマにした「網走のハチ展」を開催するほか、博物館友の会の協力を得ながら各種講座、見学会、観察会などを開催し、子どもたちや市民の学習機会の充実と教育普及活動を推進してまいります。

8.文化財

 第八に、文化財についてであります。

 貴重な文化財の保護・管理に努めるとともに、整備が完了した国史跡「モヨロ貝塚」についての学習講座の開催や、バスの車体に案内看板を掲示するなど、モヨロ貝塚のPRを促進してまいります。

9.スポーツ

 第九に、スポーツについてであります。

 スポーツに対するニーズは、生涯学習の定着や生活様式の変化及び高齢社会の進行に伴い、多様化、高度化してきており、競技スポーツの振興とともに、自己の能力や状況に応じて健康の維持・増進に取り組むため、多様なスポーツ活動の振興と充実が求められております。
 このため、各種スポーツ教室をはじめ、通年型の高齢者を対象とした教室、こどもとその親を対象とした事業の開催等、スポーツへの参加機会を提供するとともに、市民の体力向上に努めてまいります。
 特に、建設を進めておりました市民プール施設につきましては、新年度早々に「網走市民健康プール」としてリニューアルオープンする運びとなりました。
 幼児から高齢者まで多くの方々にご利用いただけるよう、安全・安心な施設運営に努めてまいります。
 次に、スポーツ合宿事業につきましては、競技スポーツの振興と地域活性化をめざし、関係機関や団体との連携を図りながら、より幅広い誘致活動と定着に努めてまいります。
 ラグビー合宿につきましては、訪れるチームのニーズに応えるため、スポーツ・トレーニングフィールド等の施設整備を引き続き推進するとともに、各種世界大会のキャンプ地としての誘致活動についても積極的に取り組んでまいります。
 さらに、本市において開催されている国内陸上競技長距離のトップアスリートによる「ホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会」をはじめ、市内で開催予定される全道大会の5大会など、各種スポーツ大会の開催を支援してまいります。

10.国際化対応

 最後に、国際化対応についてであります。

 幼児や小学生などが早い時期から外国語や外国の文化・風習などに慣れ親しむ環境づくりとして、国際理解のための体験学習や英会話指導員の配置を引き続き実施してまいります。
 また、子どもたちが網走と関係の深い諸外国の生活や文化等を学ぶことができる機会の創出に努めてまいります。

おわりに

 以上、平成27年度における教育行政推進にあたっての、教育施策の概要について申し上げました。
 教育委員会といたしましては、子どもたちが自らの夢や希望に向かって、自立して社会でたくましく生きていくために必要な総合的な人間力の基礎を身につけることができるよう、学校・家庭・地域はもとより、関係機関・関係団体等との連携を図りながら、本市教育のより一層の充実・発展に全力で取り組んでまいりますとともに、生涯を通して豊かに学ぶことのできる生涯学習社会の構築に努めてまいります。
 市民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

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