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平成23年度教育行政執行方針

教育長

はじめに
1.幼稚園教育
2.義務教育
3.高等学校・高等教育
4.生涯学習
5.社会教育
6.家庭教育
7.芸術文化
8.文化財
9.スポーツ
10.国際化対応
おわりに

はじめに

 平成23年第1回定例会の開会にあたり、教育行政の基本的な考え方と、施策の大要について申し上げます。

我が国は、現代におけるグローバル経済の進展により、景気の回復は足踏み状況にあり、また、政権交代による政策転換などにより、社会全体が日々大きく変化をし、先行きに不透明感のある難しい時代となってきております。

このような背景から、市民一人ひとりが充実した心豊かな生活を送ることができ、人との関わりの中で地域社会を更に発展させていく「地域づくり」、その根幹を成す「人づくり」のために、教育の果たす役割は益々重要なものとなっております。

本市の教育につきましては、平成20年に策定された「網走市総合計画」や「網走市の教育目標」、また、この具現化のための「網走市学校教育計画」、並びに、「第3次網走市社会教育長期計画」などに基づき、各種施策を推進しているところであります。

このうち、学校教育におきましては、新しい学習指導要領が小学校では平成23年4月から、また、中学校におきましても平成24年4月から全面実施となりますことから、これらの円滑な実施や移行の準備を進め、従来の施策と合わせて次代を担う子どもたちの「生きる力」の育成に努めてまいります。

社会教育におきましては、芸術文化やスポーツの振興とともに、「第3次網走市社会教育長期計画」に基づき、生活課題の解決や自己実現につながるような市民の学習活動の支援と、学習機会の提供に努めてまいります。

これらの取り組みにつきましては、今後も教育委員会活動に関する事務点検・評価による検証を行いつつ、より効果的に教育行政が執行されるよう意を用いてまいります。

この後は、主な項目について申し上げます。

1.幼稚園教育

 第一に、幼稚園教育についてでありますが、

 幼児期における教育につきましては、生涯にわたる人間形成の基礎を培うために重要な役割を担っておりますので、引き続き就園に対する補助や教材等に対する支援を進めてまいります。
 特に、幼稚園就園奨励費補助金につきましては、平成23年度の国の制度改正におきましても、一部の所得階層において保護者負担が従来より増大するという状況が完全に解消されるには至りませんでしたので、平成22年度に引き続き、この階層への負担軽減措置を本市の独自支援策として継続実施いたします。

2.義務教育

 第二に、義務教育についてでありますが、

 「網走市学校教育計画」では、学校教育の推進方針として、「確かな自信をもち、共に明日をひらく次代を担う網走の子どもたちを育成すること」と「地域に開かれた、魅力と信頼のある学校となるための、よりよい学校づくりを支援すること」の2つを掲げております。
 このため、学校と家庭、地域、行政がそれぞれの役割と責任を果たし、相互の連携を深めて諸課題の解決に向けた施策を進めてまいります。
 特に、平成23年度からは小学校で新しい学習指導要領が完全実施され、また、24年度には中学校においても完全実施の運びとなっておりますので、小学校の教科書改訂に関わる教師用指導資料の整備、中学校の武道の必修化に備えた柔道の畳の整備など、教育課程の実施に遺漏のないよう取り進めてまいります。

 次に、学力向上についてでありますが、過去4回の全国学力・学習状況調査の結果では、北海道の子どもたちの学力は全国でも下位にあり、本市においても、同じような傾向が見られます。
 このため、学力向上のための取り組みとして、習熟の程度に応じたきめ細かな学習指導を推進し、基礎基本の確実な定着をめざすため、各学校が行う標準的な学力テスト等の実施を支援するとともに、ティームティーチング等による学習指導方法の工夫改善、教材等の整備を更に進めてまいります。
 また、引き続き「学校教育研究実践校」を指定して、質の高い校内研修を促進し、教職員の指導力の向上に努めてまいります。

 次に、心の教育についてでありますが、複雑化した現代社会におきましては、「道徳教育」の果たす役割は益々重要なものとなっております。
 このため、道徳教育に積極的に取り組む学校を支援すべく、従来から実施している「学校教育研究実践校補助金」を拡充し、人を思いやる心や、豊かな心を育む道徳教育の推進に努めてまいります。
 また、心の成長に大きな影響を与える読書活動を促進するため、図書の更新など、学校図書館の整備・充実を図ってまいります。

 体力・運動能力につきましては、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果によりますと、道内の子どもたちは体力面で課題が見られ、本市も同じような傾向にありますことから、各学校での体力向上のための取り組みを支援するほか、市内の児童がスポーツ交流できる機会の確保などにも引き続き努めてまいります。
 さらに、学力や体力と密接に関連する子どもたちの生活習慣につきましては、その乱れが指摘されておりますので、子どもの生活実態を把握し、「早寝・早起き・朝ごはん」運動の推進などを通じて望ましい生活習慣の育成に取り組んでいくほか、食育の推進、安心・安全な学校給食の提供にも努めてまいります。

 次に、生徒指導についてでありますが、インターネットや携帯電話を利用した現代の「いじめ」の実態も指摘されておりますので、情報モラルや人権に係る指導等に努め、合わせて、各学校の児童会・生徒会等が行う「いじめ撲滅」に関する取り組みを支援してまいります。
 また、児童虐待が全国的にも増加している中で、これらの未然防止、早期発見に資するべく、福祉部門等との連携に努め、不登校問題につきましても、学校と保護者、家庭児童教育相談室の相談員、スクールカウンセラー等との連携のほか、「適応指導教室(クリオネ学級)」での学校復帰のための取り組みを進めてまいります。

 特別支援教育につきましては、特別支援学級に入級する児童生徒や通常学級において特別な配慮を必要とする児童生徒は増加傾向にあり、平成22年度から特別支援教育支援員を18名に増員して対応してきておりますが、今後も教材教具の整備その他、特別支援教育の充実に努めてまいります。
 通学時における児童生徒の安全確保につきましては、これまでも各地域において保護者や一般住民、関係団体等の協力や連携による地域の見守り活動が行われており、教育委員会といたしましては、これらの活動を側面的に支援していくとともに、地域を巡回するスクールガードリーダーを継続して配置するほか、「子ども110番の家」の資材やパトロール活動用の資材購入、子どもの安全確保連絡会議の開催等に取り組んでまいります。

 次に、学校施設の整備についてでありますが、施設の老朽化等による営繕の必要性は増しておりますので、今後も子どもたちが快適で安心して学べる環境づくりのために、現有施設の維持・改善に努めてまいります。
 また、学校施設につきましては、引き続き地域に開放するとともに、学校評議員や「学校支援地域本部事業」の活用などにより、地域に開かれた信頼される学校づくりをめざしてまいります。

3.高等学校・高等教育

 第三に、高等学校・高等教育についてでありますが、

 網走南ヶ丘高校定時制課程への助成を継続するとともに、東京農業大学生物産業学部や学校支援地域本部との連携による、市内小中学校での農大生や一般市民の「教育ボランティア」の拡充に努めてまいります。
 また、奨学資金貸付制度についても、従来同様の運用を図ってまいります。

4.生涯学習

 第四に、生涯学習についてでありますが、

 生涯のいかなる時期からでも、自分に適した学習方法で学ぶことができ、その成果を適切に生かすことのできる生涯学習社会を推進するために、社会教育行政の果たすべき役割は重要であります。
 このため、市民の学習活動の成果を発表し交流する場としての「あばしりまなび塾フェスティバル」を引き続き実施してまいります。
また、市民のだれもが安全・安心して利用できる環境整備を図るため、市民会館の危険個所の補修を行います。
 このほか、様々な学習情報を提供するため、広報紙やホームページの充実を図り、さらにはオホーツク・文化交流センター内の情報センターを刷新し、網走に関する様々な学習情報を発信する場としてまいります。

 図書館につきましては、市民の様々な学習を支援するため、幅広い図書資料の収集や、インターネットを活用した蔵書の公開や予約受付、また、祝日の一部開館の実施など、市民が利用しやすい環境づくりに努めるほか、図書館内におきましても、テーマごとの各種の展示やふるさと学習支援などの特別展示のほか、「ふるさとあばしりコーナー」の常設設置など、多様な視点で各種図書資料の紹介を行うとともに、図書資料の積極的な活用を図ってまいります。
 地方資料につきましては、貴重な地域における資料を継続して収集し整備していくほか、地元新聞や地方新聞などの永続的な保存を行うための電子化を推進してまいります。
 読書の普及や読書活動の促進につきましては、子どもの読書活動を推進するため、「ブックスタート事業」の実施や、学校などと協力した中での「ブックトーク事業」、また、「子ども読書週間」への取り組み、読み聞かせ会の開催、学校巡回図書推進事業(クリオネ分庫)の実施など、乳幼児からティーンズ世代へのより良い読書環境づくりに努めるとともに、高齢者や障がいのある方々の読書活動においても、福祉コーナーの充実やボランティア団体等との協働による読書機会の充実に努めてまいります。

5.社会教育

 第五に、社会教育についてでありますが、

 市民の生涯各期の学習課題への対応や市民生活と経済活動との調和のとれた学習活動を行うため、網走市社会教育長期計画に基づいて3ヵ年ごとの重点目標を設定しながら、学習機会の提供や学習環境の整備に努めてまいります。
 平成23年度も、網走の魅力や価値を発見し、再確認するために、自然景観や歴史的資源を活用するとともに、経済・産業や観光等から学ぶ「あばしり学」を開設し、市民が、学びの中から新産業の創出や新たな発想によるまちづくりのきっかけにつなげることができるよう、地域資源を活用した学習機会の提供に努めてまいります。
 さらに、文部科学省の補助事業として、地域の方々の手で放課後の安心・安全な学習活動を提供する「放課後子ども教室推進事業」の充実を図り、地域の人々の技術・教育力で学校教育を支援する「学校支援地域本部事業」の推進など、地域全体の協力のもとに子どもたちを守り育てる体制づくりに努めてまいります。
 また、「子ども科学フェスティバル」や、宇宙航空研究開発機構と連携した「子ども・宇宙・未来の会」の全面協力による「宇宙の学校」の開催等により、子どもたちに科学する心を培うとともに、教育目標の一つでもある「あばしりを愛し、自然や文化を大切にするひと」を育てるため、郷土について学ぶ「あばしり学ファンコース」を開設してまいります。

6.家庭教育

 第六に、家庭教育についてでありますが、

 社会の急速な変化により、子どもたちや保護者を取り巻く家庭環境も変化していることから、子育てにおける不安の解消と家庭の教育機能向上のために、平成23年度も「親と子のふれあい教室」、「幼児をもつ親の子育て講演会」、「家庭教育学級」、「家庭教育フォーラム」等、子どもたちの発達段階に対応した各種事業を関係機関と連携しながら実施してまいります。

7.芸術文化

 第七に、芸術文化についてでありますが、

 心の豊かさを求める市民の意識やニーズが高まる中で、市民文化の高揚は地域社会に豊かさと潤いをもたらし、創造的な地域づくりの基礎となるものと考えております。
 そのため、市民の誰もが優れた芸術文化に触れることによって、自らも創作活動や文化活動に関わることに充実感を得られるような環境の整備を推進してまいります。
 オホーツク・文化交流センターにおける芸術文化事業につきましては、これまでも世代を越えて楽しめる様々なジャンルの舞台芸術の鑑賞事業を開催してまいりましたが、平成23年度におきましても、事業の企画や運営を市民と協働して実施するほか、鑑賞、創作、舞台発表、ワークショップなど、様々な市民の活動に対する支援を行い、芸術文化の拠点づくりとなるような芸術文化の振興を図ってまいります。

 美術館につきましては、優れた美術作品を鑑賞する機会を提供するため、本市にゆかりのある画家の作品を中心にした収蔵作品を展示するほか、企画展を開催してまいります。
 また、本年が、網走市立美術館開設のきっかけともなった網走の郷土作家居串佳一氏の生誕100年であることから、記念事業として特別企画展の「生誕100年居串佳一展」を開催いたします。
 さらに、小中学生のための美術展や、好評をいただいている市内小中学校等における出張美術館を引き続き実施するほか、市民の自主的な創作活動を支援し、奨励するため、各種講座・教室や作品解説会を開催するなど、美術教育普及活動を推進してまいります。

 博物館につきましては、自らが住む地域について理解し、郷土を語ることのできる博物館として、展示や資料の充実に努めてまいります。
 また、企画展として、現在、整備事業を進めております史跡「モヨロ貝塚」の発掘調査の成果を公開する「モヨロ貝塚発掘成果展」と、網走の自然をテーマにした「能取原生花園の自然展」を開催するほか、博物館友の会の協力を得ながら各種講座、見学会、観察会などを開催し、子どもたちや市民の学習機会の充実と教育普及活動を推進してまいります。

8.文化財

 貴重な文化財の保護・管理に努めるとともに、平成12年度から試掘や発掘調査などを実施してきているオホーツク文化の代表的な遺跡、国史跡「モヨロ貝塚」のガイダンス施設の建設を行ってまいります。

9.スポーツ

 第九に、スポーツについてでありますが、

 スポーツに対するニーズは、ゆとり時間の増大や高齢社会の進行に伴い、多様化、高度化してきております。
 今や、競技スポーツの振興とともに、市民の一人ひとりが生涯における様々な段階で、自己の能力や状況に応じて健康の維持・増進をはじめ、豊かにスポーツ文化を享受していくために、多様なスポーツ活動の振興と充実が求められておりますし、スポーツに親しむことは、人生をより豊かにし、活力に満ちた社会を形成する上で欠かすことのできないものであります。
 このため、それぞれの体力や年齢に応じた多様なスポーツや体力増進に取り組むことができるようなスポーツ施設の充実を図るとともに、各種スポーツ教室・いきいき健康体力づくり教室等の開催や健康体力診断事業を実施し、市民の体力向上に努めてまいります。
 また、地域や各スポーツ団体との連携を図りながら指導者への支援を行うとともに、競技スポーツの振興と地域の活性化をめざしたスポーツ合宿事業につきましては、関係機関や団体との連携を図りながら、より幅広い誘致活動と定着に努めるとともに、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップのベースキャンプ地としての誘致活動にも努めてまいります。
 さらに、本市において開催が予定されております国内陸上競技長距離のトップアスリートによる「ホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会」、「国体ボート競技北海道予選会」、「全国ママさんバレーボール大会北海道予選会」、「高松宮賜杯全日本軟式野球大会(1部・2部)北北海道大会」、「北海道中学校新人陸上競技大会」、「東北海道スピードスケート大会」、「東北海道柔道大会」など、各種スポーツ大会の開催を支援してまいります。

10.国際化対応

 最後に、国際化対応についてでありますが、

 幼児や小学生などが早い時期から外国語や外国の文化・風習などに慣れ親しむ環境づくりとして、国際理解のための体験学習や英会話指導員の配置を引き続き実施してまいります。

おわりに

 以上、平成23年度における教育行政推進にあたっての、教育施策の概要について申し上げました。
 教育委員会といたしましては、今後も、次代を担う網走の子どもたちの心豊かな成長と、市民の皆様の活気と潤いに満ちた生涯学習社会の創造をめざし、学校・家庭・地域はもとより、関係機関・関係団体等との連携を深めて本市教育のより一層の充実・発展のため、全力で取り組んでまいりますので、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

網走市教育委員会   
 教育長 木目澤 一三

平成23年度教育行政執行方針
タイトル 主な内容
平成23年度教育行政執行について 教育行政執行の所信と施策の概要について PDFファイル (185KB)
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